SmartNewsは、次世代のメディアを作るデータマイニングエンジニアを募集します

先週月曜日の12月10日、僕が代表を務める株式会社ゴクロから、iPhone向けニュースアプリ『SmartNews』をリリースしました。公開直後から予想を超える反響があり、多くのブログやニュースサイトに取り上げていただきました。今もApp Storeの無料総合ランキング上位をキープしており、非常に良いスタートが切れたと思っています。

SmartNewsのレビューを読むと、アプリのUXを評価してくださっている方が多いと感じます。自分としてはもちろん、UXにも強いこだわりがあるのですが、UXと同じくらい、「どんな情報を配信するのか」という点にも思い入れがあるので、以下書きたいと思います。

「必要な情報を必要な人に届ける」ことを目指したCrowsnest

僕は、Webプログラミングを始めた2005年ごろから、「Webには膨大な情報が溢れているのに、その情報が必要なかたちで必要な人へ届いていない」というギャップに問題意識を持つようになり、それを解決するサービスを作れないかと試行錯誤してきました。2008年〜2009年に開発したTopHatenarBlogopolisにも、(ブログという限定領域内ではありますが)ビジュアライズによって、優れた情報発信者の発見を支援したいという思いがありました。

その後、情報の可視化やパーソナライズ、レコメンデーションへの挑戦意欲がさらに強くなり、1年半近くかけてソーシャル・ニュースリーダーのCrowsnestを作りました。Crowsnestは、大衆迎合することなく、かといってタコツボ化することもない、個人と情報の理想的な接点を目指したWebサービスです。Twitterに流れるURLの大規模解析を元に、情報に対するグローバルな注目度とローカルな(自分周辺での)注目度を組み合わせて配信コンテンツを決定するのが特徴です。Crowsnestは2011年10月にリリースし、TechCrunch Tokyo 2011でも賞をいただくことができました。

しかし、Crowsnestはコアなユーザ層から支持を得られたものの、Twitter連携が必須なことをはじめ利用の敷居が高く、成長のシナリオを描くことができませんでした。今年3月、Crowsnestの開発をストップして、新しいサービスにピボットする決断をしました。貯金を取り崩す生活が続いており、この頃は相当辛かったです。

ピボット案として考えたのが、「スマートフォンで誰でも手軽に使えるニュースアプリ」という、現在のSmartNewsのコンセプトです。開発は再び難航し、10月の時点では、アプリの名前もアイコンもUIも、現在のものとは違っていました。それでも、ユーザテストを重ね、スマホでニュースを読むとはどういうことなのかをユーザの立場で必死に考えた結果、今のかたちが固まり、リリースにこぎ着けることができました。

SmartNewsの現状と展望

こうした経緯があり、「一般のユーザに届くアプリ」を指向して開発したため、現在のSmartNewsは誰でも興味を持ちやすい共通の話題、人気の話題を抽出することに重きを置いており、Crowsnestの技術的強みだったパーソナライズは一部を除き封印されています。結果的にはこのコンセプトが功を奏し、多くのユーザを獲得することができました。

しかし、多様化が一層進むこれからの時代において、話題のニュースを皆に一律配信するだけでは既存のマスメディアやポータルサイトと何ら変わらず、長期的なユーザエンゲージメントを築くことは難しいと思っています。人にはそれぞれ価値観があり、必要とする情報も違っています。一人ひとりが本当に求めている情報、あるいは知るべき情報を確実に届けることができる、新しいメディアを構築したいというのが、Crowsnestから引き継ぐゴクロのビジョンです。そして今、SmartNewsはそれが可能な位置にいると考えています。

データに強いエンジニアを募集します

そこで、株式会社ゴクロでは、SmartNewsのコンテンツ選定に徹底的なチューニングとパーソナライズを加えるべく、データマイニングエンジニアを募集します。

Crowsnestをベースとしたパーソナライズ技術はすでに持っていますが、まだまだ大幅な改善が必要です。さらに、日々大量に蓄積される記事のアクセスログを分析して配信ロジックを継続的に改善したり、記事をサマライズ・カテゴライズしたり、トピックを抽出・サジェストしてインタレストグラフを構築したりと、やりたいことが山のようにあります。

小回りのきく組織なので、圧倒的な自由度で仕事をしていただくことが可能だと思います。CrowsnestとSmartNewsが持つ膨大なデータから価値を生み出し、新しい時代の情報プラットフォームを一緒に作りませんか?

詳細に興味を持たれた方は、kaisei.hamamoto at gocro.jpにご連絡ください。お待ちしています。